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ビジネスでiOSデバイスを使う場合、iTunes無しで利用するためのポイント

ビジネスでiOSデバイスを使う場合、iTunes無しで利用するためのポイント

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2008年にiPhone 3Gが日本に上陸して以来、各社からスマートフォンやタブレット端末が多く普及しました。米国の調査会社である「スタットカウンター」の調査によると、日本におけるスマートデバイスのOSシェアはAppleのiOSが7割を占めている状況です。

近年では、企業などビジネスにおいてもスマートフォンを活用する動きが広がっています。そんな中、iOSデバイスを使うには、パソコンにiTunesを導入して連携して使うことを基本的なコンセプトとして提供されていますが、ビジネスの現場で多く聞かれるのが、「パソコンにiTunesを入れたくない」という声も多いのが現状です。

iTunesと同期する手間が発生することやセキュリティ上の理由など様々ですが、出来る限りiOS単体で完結し、いざという時にパソコンともデータを連携できることで、業務の効率性を高めることが求められます。

iCloudを使うことでiPhoneやiPadはiTunesなしでも利用可能

近年では、ネットワークの高速化や1人で複数の端末を使うという需要が増えたことなどから「クラウド化」が進んでいます。そこで、Appleでは独自のクラウドサービスとして「iCloud」のサービスを提供しています。

筆者はiPhoneが日本に上陸した2008年より約10年ほどiPhoneを使い続けてきていますが、当初はパソコンで管理していた、音楽などの音声データや写真など画像データをiTunes経由で同期したり、iPhoneのシステムのバックアップを行っていたことから、iTunesは必須なソフトとして使っていました。


iCouldのバックアップ設定画面

しかしながら、Appleがクラウドサービス「iCloud」を提供したことで、システムのバックアップなどもiCloudで可能になったことから、パソコンにiTunesを導入する必要性はなくなりました。

iCloudへのバックアップには無線LAN環境が必須

iTunesが無いと困ると言われる理由としては、iOSデバイスのシステムのバックアップが上げられます。また、iOSデバイスに何かしらの不具合が生じ、初期化する場合なども基本的にはiTunesで行う必要がありました。

iCloudにバックアップを行うには、あらかじめ外部ネットワークに接続された無線LAN環境が必要になります。LTEや3Gといったモバイル回線でのバックアップができないことには留意しておく必要があります。

また、iOSデバイスを初期化する際も、基本的にiTunesは必要なく「設定」→「一般→リセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」より初期化ができますが、予め、iCloudもしくはパソコンにシステムのバックアップをとっておく必要があります。

iOSシステム以外のデータはビジネス向けクラウドストレージサービスを併用

iOSの設定など、基本的なシステムのバックアップは可能ですが、一部のアプリケーションのバックアップに制限があることに加え、無料で使えるストレージ容量は5GBまでに制限されています。有料でストレージ容量を増やすこともできますが、システム以外の文章データや画像データなどのデータはビジネス向けクラウドストレージサービスを併用するのも1つの方法です。

ビジネスでは、PDFやOfficeソフトで作成した文章データや画像データ、議事録などの音声データなどを扱う機会が多いかと思いますが、先程紹介したiCloudのバックアップは、自身でパソコンを経由して取り込んだデータのバックアップは行われません。そのため、これらのデータをiOSで扱いたい場合は、クラウドストレージサービスを併用するのが望ましいといえます。


OneDrive for Business

ビジネスで利用可能なクラウドストレージサービスは、2017年5月3日に紹介した「OneDrive for Business」や2017年5月24日に紹介した「Google Drive」などがあります。ビジネス向けに特化していることから、個人向けと比べビジネスに最適化されており、セキュリティの強化やSLAにて稼働率が保証されているのが特徴です。

iOSからアクセスするには、ブラウザの他、専用のアプリケーションをインストールすることで利用可能になります。

メールやスケジュールはグループウェアを利用する

iCloudのバックアップは、iOSデバイスで管理しているメールやスケジュール、リマインダー(タスク)などもバックアップされますが、iOS上でこれらのデータを管理するのではなく、2017年5月6日に紹介したMicrosoftの「Office365」やGoogleの「G Suite」などのグループウェアを活用するのがスマートです。


Googleのグループウェア「G Suite

個々で紹介したグループウェアは、事業者自身で用意した独自ドメインを使ったメールを使える事に加え、Exchange機能が利用できるため、プッシュ通知など重要な情報を瞬時に受け取ることができます。専用のアプリをインストールする必要もなく、iOS標準のメールアプリやカレンダーアプリなどを活用できます。

また、先程紹介したクラウドストレージサービスも付帯しており、1つの契約で両サービスが利用できます。また、メールやスケジュールはサーバー側で管理されるため、iOSでのバックアップも不要です。

グループウェアを活用するには独自ドメインを紐付けて利用します。この機会に独自ドメインの取得を検討している場合、大塚商会の「アルファメール」を活用すると、自社サイトなどの運用に活用可能なサーバーと同時契約で法人向けの「co.jp」を初めとしたドメインが無料で取得可能です。

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