コンピューターが普及した現代では、仕事や趣味など用途を問わずパソコンを使用することは一般的になりました。そのため、各家庭でも1人1台パソコンを所有していることに加え、組織においても従業員一人一人にパソコンを貸用していることも珍しくありません。
しかしながら、パソコンは一般的な電化製品とは異なり、人間の指示を元にソフトウェアのプログラムが動作することによって動きます。また、ネットワークに接続することで世界中のあらゆるコンピューターに間接的ではあるものの接続されることになります。そのため、使い方を間違えてしまった場合、ご自身のパソコンが第三者から乗っ取られたり、見知らぬ間に不正なプログラムを入れられるというリスクが存在します。
今回は、個人や組織でパソコンを安全に使うために実施しておきたセキュリティ対策を紹介します。
セキュリティ対策ソフトを導入すること
パソコンを使うには、言うまでもありませんが、「セキュリティ対策ソフト」を必ず導入します。
特に、パソコンでインターネット使用したり、USBメモリなど外部ディスクを利用する機会は多いと思いますが、インターネットを介してウイルスや不正なプログラムが入れられてしまうリスクが存在します。また、USBメモリなどを介して不正なプログラムを入れられるということも考えられます。
また、最近では実在する組織などになりすまして電子メールを送付し、個人情報などの収集やIDやパスワードの入手、ネットバンキングへのログインを試みるといったフィッシングも急増しています。電子メールが原因で個人情報が漏洩したり、ネットバンクに不正にログインされ現金が不正に送信されるというニュースもよく耳にします。
この様に、表面的なウイルス対策に加え、迷惑メールやフィッシング対策、ネットバンキング保護などの機能を付帯したセキュリティ対策ソフトも多く登場していますので、ご自身の利用用途や目的に合わせてセキュリティ対策ソフトを選ぶことが重要です。
また、インターネット上からファイルをダウンロードする場合は、ファイルを開く前に必ず、セキュリティ対策ソフトでスキャンした上で問題が無いことを確認して開くとウイルス感染のリスクを軽減できると言えます。
ソフトウェアは常に最新にしておくこと
パソコンは、ソフトウェアのプログラムに従って動作しますが、そのプログラムを作成したのはあくまでも人間ですので、ちょっとしたミスなどでソフトウェアに不具合や脆弱性があることは珍しいことではありません。
そのため、この様な不具合や脆弱性を修正するために、ソフトウェアはアップデートを配信して最新のプログラムをユーザーに常に提供しています。
例えば、Windowsであれば、OSの最新版を提供する機能として「WindowsUpdate」があります。ここでは、常にWindowsOSで見つかった不具合や脆弱性を修正してユーザーに最新のプログラムを提供しています。
不具合や脆弱性を放置すると、その隙を狙って、悪意を持った第三者が不正なプログラムを仕掛けるリスクが高まります。そのため、OSやソフトウェアの最新バージョンが配信された場合は、ユーザーに通知が行われます。通知を受け取った場合は無視をすることなく、更新作業を行い最新の状態を保ちます。
OSやHDDの暗号化を行うこと
パソコンを使う上では、必ずOSにはログインIDとパスワードで認証可能な「Windowsのユーザーアカウント」作成し、利用権限がある人のみ利用可能にすることが重要です。また、組織など高度なセキュリティが求められる場合や外出先に持ち出して使う頻度が高い場合は、ハードディスク(HDD)の暗号化も行います。
こちらは、個人でもユーザーアカウントを設定しておくことで、万が一、パソコンが盗難にあった場合でもパソコン内に保存されているデータを閲覧され、個人情報などが漏洩するリスクを軽減することができます。
ただし、OSのみを暗号化してもHDD自体を別のパソコンに接続することで、中身のデータが閲覧できてしまう可能性もあります。そのため、組織などで高度なセキュリティが求められている場合や外出先で使用するなど、情報が漏洩した場合損害が大きくなることや盗難や紛失のリスクが高い状況などではHDDの暗号化を行うことが有効です。
セキュリティワイヤでパソコン本体を固定する
パソコン本体を物理的な盗難から守るために、セキュリティワイヤを利用してパソコン本体を固定しておくことも有効です。特に、組織においては、パソコンが盗難にあった場合、情報が漏洩してしまうリスクに加え、業務自体が停止してしまうことにもつながります。
バックアップを常に取得しておくこと
パソコンを使用する上では、常にバックアップを取得しておくことも有効です。こちらは、セキュリティ対策だけではなく、パソコン本体が破損したり、ソフトウェアの不具合で初期化せざる得ない場合などあらゆる事態に対して、データを紛失するリスクを軽減できます。
バックアップを行う場合は、PC本体ではなく出来る限り別媒体にデータをバックアップしておくことが重要です。