組織や個人を問わず、ビジネスに必須なソフトとして定着しているMicrosoft Officeは、2017年5月6日紹介したサブスクリプション制の「Office365」と、Officeソフトのライセンスを販売する「ボリュームライセンス」の2種類が用意されています。
新たにOfficeソフトの導入や最新バージョンへの買い替えなどを検討されている場合、Office365を契約して使うべきか、それともOfficeのライセンスを購入して使うのではどちらがお得であるか気になるポイントです。
今回は、Office365とボリュームライセンスでOfficeソフトを購入した場合におけるコストを検証してみましたので紹介します。
Office365とボリュームライセンスの違い
Microsoft Officeを利用するにあたり、サブスクリプション制のOffice365を契約して使う方法とボリュームライセンスを購入して使うのでは、プランにもよりますが、基本的に利用可能なアプリケーションには違いはありません。ただし、利用者に対するサポートであったり、インストール台数、ライセンス形態など細かい違いがあります。
ボリュームライセンス
2017年現時点での最新バージョンであるOffice2016のベーシックな製品として「Office2016 Standard」がありますが、利用可能なアプリケーションは上記表でも記載しているとおり、WordやExcel、PowerPoint、Outlook、OneNote、Publisherが利用可能です。
インストール可能なPCの台数は2台までとなっています。ただし、一度ライセンスを購入した場合、永久にライセンスは維持され同一のバージョンで使い続けることが可能です。
Office365
Office365の場合、3つのプランが用意されていますが、Officeソフトが利用可能なのは、月額900円のビジネスプランと月額1360円のビジネスプレミアムプランが用意されています。利用可能なアプリケーションは両プランとも、Office2016 Standardと同様になっています。さらに、1TBのクラウドストレージOneDrive for Businessが付帯しています。
ビジネスプレミアムプランの場合は、Officeソフトに加え、Exchange Onlineの他、SharPoint、Skype for Business、Teams、Yammer
が利用可能で、業務効率化を実現するツールが豊富に利用できるのが大きな特徴です。
Office365は契約期間に応じて、毎年もしくは毎月利用料金を支払う「サブスクリプション」方式を採用しており、契約期間中はサポートが行われ、最新バージョンの提供が優先的に行われます。
Office365とボリュームライセンスの年間の維持費
Office365とボリュームライセンスとで年間に係る維持費を算出しました。
リュームライセンスのOffice2016 Standardのライセンス価格は1ライセンスあたり49,000円となっています。ボリュームライセンスの場合は一度購入すると追加の料金は発生することなく永久に使うことができます。
Office365のビジネスプランは1年契約で1ユーザーあたり月額相当900円、ビジネスプレミアムプランは1年契約で1ユーザーあたり月額相当1360円となります。1ユーザーあたりの年間に係るコストは、ビジネスプランで10,800円、ビジネスプレミアムプランで16,320円になります。
Office2016 Standardのライセンス価格である49,000円を上回るのは、ビジネスプランでは5年目、ビジネスプレミアムでは4年目になります。
Officeの最新バージョンに定期的買い替える場合はOffice365がおすすめ
Microsoft Officeは約3年毎に最新バージョンがリリースされています。過去のバージョンを見てみると、Office2007→Office2010→Office2013→Office2016の順番でリリースされており、このサイクルを考慮した場合、次にリリースされるOfficeのバージョンは2019になる可能性が考えられます。
Officeソフトを使う上で重要になるのが、ボリュームライセンスの場合、一度購入したら実質永久的に使い続けることはできますが、Microsoftより不具合などの脆弱性を修正するプログラムが配信されるサポート期間が定められています。サポート期間はメインストリームサポートと延長サポートの2種類あります。
メインストリームサポートの場合、Officeの最新バージョンがリリースされてから5年間サポートが行われます。延長サポートはメインストリームサポートが終了後、さらに5年延長してサポートが行われ、同一バージョンでOfficeを安全な状態で利用可能な期間は10年間ということになります。
先程の維持費では、Office365の年間維持費は4~5年目でボリュームライセンスの価格を上回ることを記載しましたが、3年サイクルで最新バージョンがリリースされることを考えると、定期的に最新バージョンを買い替えて利用していくのであれば、追加のコストを負担してボリュームライセンスを購入するよりは、Office365を利用する方がコストパフォーマンスは優れていると言えそうです。