前回は、クラウドサーバー(IaaS)の選ぶ基準について紹介しました。ビジネス用途などでクラウドサーバーを選定する際に紹介した基準に基づいたクラウドサーバーはどれが良いのか気になるところです。
そこで今回は、選定基準にマッチしたクラウドサーバーサービスを紹介します。
カゴヤ・ジャパン「マネージドクラウド」
カゴヤ・ジャパンが提供しているクラウドサーバー「マネージドクラウド」は、専門知識が無くてもクラウドサーバーを運用できるよう専用のコントロールパネルが簡単に操作できることや365日24時間充実したサポートが受けられるなど、初心者でも使いやすいのが特徴です。
キャンペーンなど一時的にアクセスが増加する場合など、状況の変化によってリソースを増減でき柔軟性に優れています。また、万が一の機器障害が発生した場合でも、一時的にインスタンスを正常稼働しているサーバーに移動させるなど可用性も高いといえます。
セキュリティ機能においては、ファイアウォールの設定やメールのスパム対策などの基本的な機能はもちろん、SSLも低コストなものから高セキュリティのものまで幅広く扱っているのが特徴です。
初期費用は無料で、月額料金は2700円から利用できます。最小の基本構成としてはCPUが1コア、メモリ1GB、ストレージ20GBから構成可能です。
Amazon「Amazon EC2」
Amazon EC2は、ネット通販でお馴染みの「Amazon」が提供しているクラウドサーバーです。
先程のカゴヤ・ジャパンの「マネージドクラウド」とは異なり、運用する際は多くの専門知識が必要になるなど、上級者向けの「クラウドサーバー」という位置づけです。
上級者向けということから、機能拡張やオプション機能などが豊富であり、事細かい要求に答えてくれます。
初期費用は無料で、料金体系は時間毎の従量制課金方式です。サーバーは1時間2円から、ストレージは1GB/月10円から、データ転送料金は1GB20円からと細かく設定されています。
GMO「ALTUS Basic」
「ALTUS Basic」はGMOグループの「GMOクラウド」が提供しているクラウドサーバーです。大変低コストで運用できるのが特徴で、スタートアップ段階で使うのに適しているといえます。
料金体系としては、リソース単位での課金方式を採用しており、CPU1コア、メモリ1GB、ストレージ20GBの構成を1つのリソースパックとして月額1400円からとシンプルな料金体系です。また、転送量による追加課金が発生しないので、一時的なアクセス増でも安心して使うことができます。
各種セキュリティ機能も充実している他、操作しやすいコントロールパネル、365日24時間対応のサポートなど初心者のかたでも安心して利用できます。
さくらインターネット「さくらのクラウド」
「さくらのクラウド」は、さくらインターネットが提供しているクラウドサーバーです。
月額単位以外に日額や時間額といった細かい単位での料金設定が可能で、多くのニーズに合わせて料金を選ぶことができます。また、転送量による従量課金がありませんので、予想外の出費が発生する心配がありません。
また、セキュリティ機能も豊富で、ファイアウォールや改ざん検知サービス、SSL証明書など豊富に取り揃えています。初期費用は無料で、最小構成はCPU1コア、メモリ1GB、ストレージ20GBから月額2584円から利用できます。
ただし、サポートの提供時間が限られており、電話による受け付けが平日の09:45~18:00に限定されている点が難点と言えます。