2017年7月27日の記事で、始めてネットショップを展開したい方に、ECサイトを構築する方法を紹介しました。その中で、CMS(Contents Management System)を使った構築方法を紹介しました。
近年では、サーバーが安価に利用できる様になったことから、CMSを利用してECサイトを構築する方も増えているようです。今回は、CMSを使ってECサイトを構築する際に知っておくべきことを解説します。
CMS(Contents Management System)とは
CMSとは、Contents Management Systemの略で、日本語に直訳すると「コンテンツ管理システム」と言い、コンテンツの管理を容易にできるウェブツールです。
CMSは、サーバーにインストールすることで、管理画面にログインして、コンテンツを新規に追加したり、編集したりなど作業が容易になります。定期的に文章や画像データを記載していくような場合、難雑な作業や手間を省き、管理画面にログインして、記載したいコンテンツをアップするだけで更新作業が可能になります。
CMSとして有名なのは、近年ブログサイトを中心に利用が広がっているWordPressの他、MovableTypeなどもあります。また、ECサイトを構築に特化したCMSとして、「EC-CUBE」や「Magento」があります。
CMSは、オープンソースであるため、CMSのウェブサイトにアクセスすると、無料でCMSをダウンロードして活用することができます。
CMSの利用にはあらかじめサーバーの用意が必要
CMSを利用するには、始めにサーバーを用意する必要があります。サーバーはCMSが動作する環境が整っていれば自己所有のサーバーでもレンタルサーバーでも利用することができます。
CMSをサーバーにインストールすることではじめてシステムの利用可能になります。そのため、データベース作成が可能であることがサーバーを選ぶ要件となります。
今回のECサイト向けCMSを導入する上でのレンタルサーバーの選び方についての詳細は、後述する予定ですが、「さくらインターネット」や「エックスサーバー」、「CPI」など、ECサイト向けCMSである「EC-CUBE」を簡単にインストールできるレンタルサーバーも増えています。
CMSを利用するメリットとは?
CMSを利用するメリットとしては、以下に記載した4つのメリットがあります。その中でも、構築や運用する上での手間が減ることや無料で活用できることが最大のメリットとなります。
ECサイトを構築・運用する際の手間が減る
サーバーにCMSをインストールして、設定を済ませておけば、後はご自身で記載したいテキストデータや画像データなど管理画面にログインして、特定の場所にデータをアップロードするだけとなり運用の手間を省くことができます。
特に、ECサイトの場合、商品に関するテキストや画像データ以外に、カート機能や決算機能など機能が多岐に及ぶため、ご自身で用意したサーバー上でゼロからECサイトに必要な機能を揃えるより、CMSを活用するとあらかじめ必要な機能も備わっているため、サイトを構築する手間も削減できると言えます。
オープンソースであるため無料で活用できる
CMSは、オープンソースであるため誰でも自由にダウンロードして活用できます。そのため、ECサイトを構築するために、ウェブ制作会社に発注して何十万円の費用を用意する必要もありません。
また、構築前にいろいろと機能を試し、使い方を熟知した上で構築作業に入ることもできます。
高度な専門知識が不要である
CMSを活用してECサイトを構築する場合は高度な専門知識はなくてもECサイトの構築が可能です。CMSでECサイトに必要となる機能があらかじめ用意されているため、構築する場合における設定方法などは多少必要になりますが、デフォルトで用意された機能を上手く組み合わせるだけで本格的なECサイトの構築が可能です。
柔軟にカスタマイズができる
CMSはオープンソースであるため、標準で用意されている機能に加え、有志らによって様々な拡張機能が用意されているのも特徴です。また、専門知識があれば、自由にカスタマイズして思い通りのECサイトを構築することができます。
CMSを利用するデメリットとは?
CMSは、メリットもある反面、デメリットもあります。一番大きいデメリットとしては「セキュリティ」の問題があります。
オープンソースのためセキュリティリスクがつきもの
CMSは、オープンソースであり無料で使える反面、脆弱性が発見されやすい特徴があります。脆弱性をつついて攻撃を仕掛けてくることも十分に考えられます。そのため、定期的なアップデートを行う、拡張機能の安全性を確認した上で利用することが重要です。
設定などにあらかじめ使い方を把握する必要がある
CMSは、構築や運用する上での手間を削減できますが、CMSを利用するにはあらかじめサーバーにインストールする作業が必要になりますので、設定方法などをあらかじめ把握しておく必要があります。そのため、設定作業が苦手な方にとっては最初のハードルが少し高くなってしまいます。