前回の記事では、「FTPとは何か」という視点で解説しました。では、実際にFTP接続を行う場合、どういったソフトを利用すれば良いのかという点が気になります。FTPソフト自体は多く出回ってはいますが、その中でも最も人気が高い「FFFTP」と「WinSCP」、「FileZila」の3つのソフトを比較していきたいと思います。
3つのFTPソフトが人気が高い理由
FFFTPとWinSCP、FileZilaはFTPソフトの中で、中級者から上級者問わず、長年愛用者が多く人気が高いFTPソフトです。
「FFFTP」は、上級者の中では定番のソフトとなっており、国産のFTPソフトとして愛用者が多いのが特徴です。しかしながら、2011年に開発者によるサポートが打ち切られた関係上、WinSCPなど他のFTPソフトにユーザーが流れる傾向がありますが、現在は有志らによってソフトの改良が進められています。
「WinSCP」は、充実した機能とセキュリティが高いことから、世界中で評判が高いFTPソフトです。また、「FileZila」はシンプルさと使いやすさに定評があり、世界中の多くの方が利用されています。
セキュリティ機能は「WinSCP」がトップ
FTP接続をする上で、意識しておきたいのが「セキュリティ機能」です。「FTPとは何か?レンタルサーバーを使う上で知っておきたい3つのポイント」で紹介しましたが、FTP接続する際に暗号化して転送する方式として「FTPS」と「SFTP」の2種類が存在します。今回は、それぞれのFTPソフトごとにセキュリティ機能を紹介します。
FFFTP
FFFTPは、2011年開発者がサポートを終了した時点では、FTP接続のみの対応となっていましたが、有志らによるソフト改良により、暗号化した「FTPS接続」に対応しています。また、FFFTPソフト起動時にマスターパスワードを入力することで、設定で保存したアカウント情報が第三者から盗まれるリスクを防ぐことが可能です。
WinSCP
WinSCPは、「FTPS接続」と「SFTP接続」の他、「SCP接続」にも対応しているのが大きな特徴です。「SCP接続」は、SSHクライアントを利用してSSHサーバーに接続する方式です。また、ソフト起動時にマスターパスワードを入力することで、設定した情報やサーバー内の情報を守る仕組みも備わっています。
FileZila
FileZilaは、「FTPS接続」と「SFTP接続」の2つの接続方式に対応していますが、大きなデメリットとして「マスターパスワード」に対応していない点に注意が必要です。
機能面では「WinSCP」と「FFFTP」が充実
FFFTP
FFFTPは基本的な機能が充実しており、FTPソフトとしては過不足無く利用できるのが特徴です。デメリットとしては、転送速度が制限できない点においては、通信環境やその他の状況において、他の通信への影響が懸念されます。
WinSCP
WinSCPも、基本的な機能が充実しており、使い勝手としても申し分なしです。また、インターフェースはコマンドタイプとエクスプローラータイプの2通りから選択できることから、上級者から支持されています。一方で、大量のファイルを転送する場合、同時ファイル転送数の設定が出来ない点はデメリットになりそうです。
FileZila
FileZilaは、タブ機能を搭載しており、複数の接続に対してタブを切り替えることで利用可能です。また、タブによる複数同時接続を想定して、同時ファイル転送数が最大10まで設定できるのも大きなメリットです。一方で、ミラーリングアップロードに対応していない点やショートカットキーの割り当てが出来ない点、ファイルのパーミッション自動変更に対応していない点など、中級者から上級者にとっては機能的に物足りなさを感じそうです。