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レンタルサーバーをファイルサーバーとして利用する際に確認しておきたいポイント

レンタルサーバーをファイルサーバーとして利用する際に確認しておきたいポイント

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レンタルサーバーは、ウェブサイトの運営するために使われることが多いですが、ウェブサイトの運営だけではなく、ファイルサーバーとしても利用可能です。

お手持ちのパソコンの容量が少ない場合やファイルのバックアップ用途、企業など複数人で利用する場合などは、WebDAVという機能を利用すると、ファイルサーバーとして、お手持ちのPCからローカルフォルダにアクセスしている感覚で利用できます。

WebDAVとは?

WebDAVとは、Web-based Distributed Authoring and Versioningの略で、サーバー内のファイルをWebブラウザに送信するためのプロトコルである「HTTP」を拡張し、Webサーバー上のファイルやフォルダを管理できるようにしたものです。

WebDAVを使うことで、クライアントPC側で作成した文書や画像などのあらゆるファイルをサーバーに送信できる他、PC上で普段利用しているローカルフォルダの操作と同様に、サーバーにあるファイルやフォルダを閲覧したり、ファイルやフォルダを複製や移動、削除が可能です。

WebDAVは、PCのローカルフォルダとは異なり、外部のサーバーになりますので、そのままファイルを置いていると第三者から閲覧できる状態になってしまいます。そのため、利用するにはユーザーIDとパスワードが必要です。サーバー上のファイルを操作する際は、ユーザー認証を行うことでサーバー上のファイルにアクセスできる仕様です。そのため、アクセス権限がないユーザーIDに対してはサーバーのアクセスは許可されません。

またWebDAVは、HTTPの拡張方式であるため、WEBブラウザで通信する際に利用されている暗号化方式であるSSL(Secure Sockets Layer)が利用できます。

WebDAVを利用するには?

WebDAV機能を有効にするには、ご自身が契約しているレンタルサーバーがWebDAV機能に対応している必要があります。WebDAV機能は、多くの場合、レンタルサーバーの「専用サーバー」で提供している場合が多いです。

一般個人向けのレンタルサーバーであれば、「さくらレンタルサーバー」は専用サーバーの「マネージドプラン」、「カゴヤ・ジャパン」も「マネージド専用サーバー」で提供しています。レンタルサーバー業者ごとWebDAV機能については別途記事にする予定です。

WebDAVを利用する前に確認すべきこと

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WebDAV機能を利用するにあたり、あらかじめ、「セキュリティ上のリスク」と「アクセス範囲と利用人数」、「転送量」、「バックアップのタイミング」の4つについて確認しておきます。

1.セキュリティ上のリスク

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セキュリティ上のリスクについては、WebDAVの概要で説明したとおり、ユーザーIDによるアクセス権限の付与、SSL方式による暗号化が利用できますが、セキュリティは100%完璧ではありません。

サーバー上にファイルを置くことで考えられ得るリスクとしてはまず、不正アクセスによるデータ漏えい等が考えられます。通常ではユーザーIDでアクセス権限がある方のみ利用できますが、万が一、ユーザーIDとパスワードが漏えいした場合やお使いのPCが乗っ取られることで、間接的にサーバーにアクセスされることも考えられます。また、サーバーにDoS攻撃の被害に遭い利用に支障をきたすことも考えられます。

WebDAV機能を利用するには、あらかじめ、考えられるセキュリティ上のリスクを洗い出した上で、それらのリスクに対してどの様に対処すべきか、または、防止できるか、軽減できるかを検討する必要があります。

2.アクセス範囲と利用人数

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WebDAV機能は、サーバーにファイルを置くために複数人での共同作業なども可能で利便性が向上します。特に、企業などで利用する場合は、部署やプロジェクトごとにディレクトリを分け、そこに属している社員のみにアクセス権限を与えるなど、利用範囲を明確にし管理します。

利用範囲と利用できる人数を限定することで、他のフォルダに対してファイルを容易に見られないようにする他、誤操作によるファイル紛失や変更のリスクを防ぎます。例えば、ある社員がディレクトリを間違えてアクセスし、他の社員が仕掛けていたファイルを誤って削除した場合、仕掛けのファイルを扱っていた社員の作業が白紙に戻ってしまうなど、業務を進行する上でも問題が生じます。

また、部署異動や退職など利用者が変更になる場合など、アクセス権限をそのままにするのではなく、速やかにアクセス権限の変更を行うことも重要です。

3.転送量

WebDAVを利用することで、サーバーとクライアントPCとの間で行き交うデータ量が増える恐れがあります。レンタルサーバー業者では、転送量の上限を設けている場合が多いです。

個人で利用する場合は、利用時間やデータ量が限られることから、大きな問題にはならないと思いますが、企業など利用人数が多い場合は、あらかじめ、扱うデータ量や利用頻度などを確認しておくことが重要です。利用人数やデータ量、アクセス頻度などに応じて、転送量に余裕があるレンタルサーバーを契約します。

4.バックアップのタイミング

WebDAVも同様にサーバーにデータを保存している以上、障害などが発生した場合データが消える恐れがあります。また、複数人で共同利用する場合、誤操作など意図せぬ操作によってファイルが紛失する場合もあります。

万が一に備えて、バックアップするタイミングをあらかじめ、決めておく必要があります。例えば、個人利用で利用頻度が少ない場合は週に1回バックアップする、企業で複数人で利用する場合は最低1日1回など決めておきます。

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